最近、問題行動で悩ませられている飼い主が増加傾向にあります。特に、大型犬よりも小型犬や中型犬に多いようです。問題行動の中でも「権勢症候群(犬のわがまま化)」という言葉があります。これは飼い主の言うことをきかなくなり、唸る、吠える、咬むなど、飼い主の手に負えなくなるケースです。この原因は「人が犬という生態系を十分に理解していない」からです。一緒に生活していく上で、相手(犬)を知るという一番重要なことが欠けているから起こることなのです。
犬は元々、グループをなす習性を持っている動物であることは知ってますよね。ということは、そのグループにリーダーが必要であり、犬は常にリーダーを見ているのです。たとえば5人家族の中に、愛犬を入れて6人家族とするなら、その中で序列を作っているのです。犬は家族と一緒に生活しているという感覚でなく、本能的に新たなグループに加わったと思っているのです。人間である家族もまた犬にとってはグループに過ぎません。
常にリーダーが誰であり、その仕草、行動を見ているものです。また犬は人間と違い自立心がありませんから、「飼い主の庇護」と「安心して暮らせる環境」を与えなくてはなりません。これらを理解して愛犬と接して行くことが躾のスタートになります。その上で、犬の躾とは「犬の気持ちになり、飼い主に対する信頼と自信を育てる情操教育」と理解すべきなのです。
犬がグループの中で序列を理解し、またリーダーを理解し信頼すれば、犬の基本的な行動はリーダーに従うことになります。犬を家族の一員として思うなら、このような基本的な習性を知った上で付き合わないとなりません。
厳しく叱るだけでもダメ、逆に過保護でもダメ。人間の親子関係と同じように信頼と自信を育てることが躾の全てなのです。信頼できるリーダーを見つけられない犬は、自分が安心して生活するために様々な行動を取り始めます。これが人間には問題行動と受け取られますが、多くの場合、人間が信頼し得るリーダーであることを犬に示さないか、気付かぬうちに犬をリーダーとして扱ってしまい、誤解を与えてしまっているからなのです。 |